☆新米大家さん奮闘記☆

突然大家に!なってしまいました。0からスタートのお勉強の毎日です。

よけいなお世話なんだけれど、不動産広告をみて思うこと。

ほんとによけいなお世話なんだけど、ちょっとした疑問です。

物件は少ないながらも、一応 私も世間からみると「不動産投資家」に

カテゴライズされ、さまざまなところから 投資物件のご案内も

少なからず頂くことも多くなりました。

 

先日、ド素人の私でも頂いた物件情報で 「これってどうよ!」と思う

不動産の広告がありましたので、一部匿名で取り上げてみたいと思います。

 

S県K市 (最寄の鉄道はJRではなく、某私鉄系の駅になります。)

駅から徒歩15~18分!(駅からこれだけ遠い!ということで NGですね。)

5階建 店舗と賃貸住宅の複合タイプRC建築物。

1F部分は店舗で2~5階まで 同じ間取りのベランダ付き1DKタイプの部屋が

5世帯 → 5世帯×5階で 25戸ということですね。

(施主の方は戸数を多くして、収入第一優先型の大家さんタイプですね。)

 

ここからシビアに単純計算してみます。

仮に店舗の家賃が 1店舗あたり、

150,000円×2店舗=300,000円 の収入

35㎡の1DK賃貸住宅が 1戸あたり

60,000円×25=1,500,000円 の収入

すべて満室!となると 1か月 1,800,000円の安定収入が見込まれますが、

 

物件概要をきちんと読み解いてみると、この物件の現況は以下の通り、

2店舗のうちの1店舗は空室

住戸も 半分以上が空室。

おまけに現在入居している入居者の家賃もバラバラ。

同じ広さのお部屋なのに、

2階・3階は60,000円、4階は50,000円

5階に至っては40,000円!!!

単純に計算してみても、実際の家賃収入は

店舗 1店舗のみ!で 収入は100,000円

賃貸住宅は25戸のうち13部屋しか居住者がいない。

実際、稼働しているお部屋は13部屋ということで、下記のように仮の数値を

入れてみる。

2階 60,000円×5=300,000円

3階 60,000円×1=60,000円

4階 50,000円×5=250,000円

5階 40,000円×3=120,000円

 

すると、実際にインカムとして入ってくる収入は730,000円 になってしまうので、当初の満室想定利回りは信憑性を疑ってしまう。

この物件は 約5,000~5,200万円前後で売買価格が出ているので、

広告で謳っている 「満室想定利回り15~17%」の数字は記載しても

この物件にこれだけの家賃収入が見込まれる可能性は低い。

というのも、

現実は 3階以上の物件は余儀なく家賃のディスカントを行っており、

物件の築年数を鑑みてみると、もともとの値付けである 60,000円に引き上げるのは

相当なエネルギーを要するのであります。

 

さらに広告コピーでは、コンビニ、薬局が至近距離にあり、生活環境良好とありますが、

おおよその住所が判明すれば、Google Earthなどのツールで現地の確認はネットでできちゃいますからね~。

実際は公園や学校が近くて、うるさかったりするんじゃないかな~なんて思ってしまいます。

 

この物件から漂ってくるのは、こんなStory!

地元の地主さんが 顧問税理士さん、地元の不動産屋さん、工務店さんのアドバイスで

「節税対策」と称して「地元の信金」あたりから借金をして建築。

新築時は入居者がそこそこいたものの、経年とともに 古い設備と室内で 不人気に。

修繕したくても、建築費用のローンが残っていたりしたら 修繕に回すお金もなく、

地主さんが高齢だったりすると、逆に返済繰り上げを金融機関に迫られ、さりとて

財産を継承してくれそうな家族もいない。

てっとり早く売却して余生を静かに過ごしたい。

とまあ、こんな哀愁を帯びた エピソードが垣間見れます。

 

売主さん(地主さん)は きっといい人なんだろうな~と思いますが、

だからといって、この物件に5,000万円もの投資ができるか?といったら

はっきり言います。 できません。

 

これだったら、狭くても戦略特区の区分所有物件を購入した方が、資産価値が出そうです。

 

巷では、東京オリンピックまでが不動産購入のチャンス!と

あちこちで謳われていますが、優良物件はほぼ完売状態。

庶民が購入できるのは、すでに「売れ残り」で溢れているのかもしれません。

3大都市の新築マンションのオーナーはほとんど 中国人ばっかり!という噂も小耳にはさみますからね~。

このままでは、都心に競争力が集約され、地方はどんどん風化が進んでいくのでしょう。

 

こんな事例の物件を活性化させるためにも 「町おこし」や「空き家問題」を他人事と眺めるのではなく、自治体や町内といった地元の人達が本気で考えていく時期に来ていると

思わずにいられません。