マンション管理組合の「コミュニティ形成(コミュニティ条項)」が標準規約案から削除ー国土交通省の方針
本日(4/8,2015)のYahoo Newsで発見。
マンション管理新規約で組合激震か?ー役割否定・・・国交省方針に業界など猛反発。の記事を発見して、いよいよ来てしまったか。。。溜息。
もともと数年間にわたって管理会社や管理組合団体の反発があったものの、棚上げされていた問題ですが、ここにきて国土交通省が押切るかたちで決着がついてしまった。
当然ですが、行政を動かすような「企業」の存在や
専門職の方々が所属する団体が背後でがうごめいているように思えてなりません。
記事に示してある単純計算で
2014年の月額平均のマンション管理費は14,000円
同じく修繕積立金7,200円で合計:21,200円
が各住戸から管理組合へプールされる。単純に全国600万戸(人口の10%) で掛け算すると1,200億円強となり、、、
その12倍の1兆5000億前後が1年間に動く。管理組合から剥がされる新たな‘‘自治‘‘と巨額の金額は今後どう動くのか?
とあり、まず頭に浮かんだのは、
需要のない資格:マンション管理士や (仕事のできない=裁判に勝てない)弁護士、(仕事がない)司法書士、行政書士 といった専門職のお仕事フィールド拡大?。
もしくは東京オリンピック後の ゼネコンに対する保険?
とも見られます。
現場に立ち戻ってみると
住まいに関するトラブルやもめ事に対処する「マンション自治」を担ってきた管理組合から、その役割が取り払われる。
ということは マンション内のもめ事、たとえば
1)生活音
2)水漏れ
3)下水等の悪臭
4)漏電・停電
5)不法侵入者・違法駐車の通報
6)町内会(自治会)への対応
7)警察・消防・電力会社・銀行などへの交渉や対応
これらの住民間で処理できない問題を専門家にゆだねる前に、当事者の間に入って調整をするのはだれが行うのか?
いままではこういった問題は住民・管理会社との間で形成した管理組合の中でコミュニケーション・連携がとられていると迅速に解決にむけて取組みやすかった。
しかしながら、今回の国土交通省の方針は こうした管理組合のマンション自治の役割を否定する結果となってしまった。
その理由が
1)高齢化に伴う役員のなり手不足
2)外部専門家(弁護士や司法書士など)の役員就任とその適格性
3)理事会における議決権の代理行為
などに対応したものといている。
つまり、役員のなり手不足により自治まで対応できない管理組合も多く、
第三者も役員になれるようにしたということだ。
他にもマンション管理費から自治会費や役員の飲食等の支出について、昨今訴訟等の発生を鑑みて、管理費を預かる管理組合が無駄遣いを防ぐ・もしくは無駄遣いをすることが無いよう自治関連の支出をなくし、管理組合が純粋に建物などの財産管理を担うことになれば、管理費が安くなる可能性もある。
ということで、マンション所有者によっては合理的に見える。
しかし、管理組合や管理会社がマンションの自治からたずさわらなくなり、トラブル対応ができなくなったら、
マンションの資産価値を維持することが難しくなるのは明白。
されど、そのあたりはさすがに 国土交通省も今回の標準管理規約の見直しは コミュニティにかかる規定について、
管理費の支出をめぐり、意見対立や内紛、訴訟等の法的リスクがあるという法律論から行っているもので、別途の政策論からは、マンションのコミュニティー活動は積極的に展開されることが望ましい。
としてマンション自治そのものの重要性を否定してはいない。
現実問題としては 管理組合と別に任意の自治会を作るのはかなりハードルが高いと思うが、
グレーゾーンは残している。
苦肉の策だったんでしょうね。
確かに、、、、先程のマンション管理費の自治会費や役員の支出については身近な事例をみてみると、
もめ事の多いマンションは 管理組合の理事長・理事などの役員に就任している人が管理組合の運営を私物化しているケースが多い。
いわゆる役員という立場を利用して共用部分修繕の際の業者選定などに役員自身が経営する会社を選定させたり、理事会に参加しただけなのに、交通費や参加費用として
1人2,000円~3,000円という手当を儲けて各自に配布したり、
必要のない会合無駄にレストランで催したり等々。
ひどい管理組合になると、理事長が背任横領で訴訟にもちこまれたケースもある。
というわけで、今回の国土交通省の方針決定は
喧嘩両成敗のようなさじ加減でまとめて様子見ということで、
それなりに 本件の方針決定を担当されたお役人様の頑張りは評価したい。