☆新米大家さん奮闘記☆

突然大家に!なってしまいました。0からスタートのお勉強の毎日です。

「大都市における空き家問題」 講演会に参加。 講演内容をまとめてみました。

空き家問題につい無料講演会のご案内状を頂きまして、シンクタンク系の研究員が講師ということであれば、Dataはかなり信憑性が高い!と思い、聴講してみることにしました。

 

<感想>

ます、プレゼンのコンテンツ:

不動産ビジネスに関連する企業様向けの内容なので、かなりニッチな内容。

空き家対策の一環として何かアイデアの発表があるのかな???と多いに期待していたのであるが、盛りだくさんの内容だったので、1時間内で納めるにはかなり無理があったように感じる。

すでに書籍などで入手可能とおもわれる データ系の内容、全国の空き家件数とか、新築住宅着工数等々、数値で一目瞭然の内容は軽くスル―し、空家の実態や現状についてのトピックをコンパクトにして、一番気になる 利活用支援策:「空き家の活用の成功例」や「NPOベンチャーの空き家活用事例」などもっと現場に則した事例について、実際に現場を調査した研究員の考え方や見解を聞かせてほしかったな~。

プレゼンについての評価:

日本人らしいセオリー通りのオーソドックスなスピーチ。

メリハリ無し、見せ場も無し、ひたすら平坦な道を歩いているような感じ。プレゼンの内容は悪くないのですが印象が残らない残念なプレゼン。

NHKでTEDのようなプログラムで地上波から簡単にスーパープレゼンを見られるようになると、プレゼンに目が肥えた人が増えていることを踏まえ、これからのプレゼンターは聴衆を引き付ける話し方を学習するべきだな~と痛感しましたね~。

 

業界の方限定の研修講座なので、コンテンツの内容について詳細なコメントは避けますが、

資料として配られた書類は80ページ近くもある力作。

 

まず、コンテンツはこんな感じ。

<空き家の実態>

お約束の空家の実態、空家に伴う問題 このあたりのデータはかなり丁寧に集積してあり、

実は空き家率は1993年頃からすでにスタートしていたことが判明。

この時代に新築の着工を規制して、中古住宅の活用にもう少し力をいれていたら、空家率13.5%なんてことにはならなかったでしょうね。

ちなみに1993年の空き家率は10%

 

それでは空き家増加の要因は?

①人口減少、少子高齢化核家族

②新築偏重主義

③税金の問題(更地にすると固定資産税が4倍になってしまう為、持ち主が空家の解体に着手しない。)

の3つが大きな要因として挙げられている。

 

それじゃあ、実際に空き家はどれぐらいあるの?

驚くことに、全国で820万個の空き家がすでにある!

にもかかわらず、新築のマンション次々に着工されているのが現実。

 

これって、普通?なんだろうか? 他の国はどんな感じ?なんだろうと、

中古市場の国際比較を見てみると、

やっぱり、日本はダントツ!新築着工数が高く、なんと98%!!!

ちなみに他の先進国はこんな感じ。

アメリカ:58.7%

イギリス:12.7%

フランス:33.2%

 

新築よりも 中古市場の方が成熟した市場としてポーテンシャルが高いということが理解できます。

他の先進国は文化の違いもあり、中古住宅をリーズナブルな値段で入手、リノベーションで付加価値を付けた後、コストを追加して転売するのが不動産ビジネスの主流。

 

近頃は日本も若い世代の人がリフォームやリノベーションに特化した設計事務所を訪れて、

中古マンションや木造の戸建を自分の好きな間取りに変更して住んでいる人が多いということだが当然の流れなのかもしれない。

 

続いて、住宅の寿命をみてみると、新築がダントツの我が国日本では滅失住宅の平均築後経過年数は 32.1年

アメリカの66.6年、イギリスの80.6年 を比較してみても 頻繁にスクラップビルドを繰り返していることがわかります。

 

では 我が国日本の 空家の内訳はどうなんだろ?

 

これまた、大家さん業の私にとっては とてもシビアな結果でありまして、

820万戸のうち、318万戸は木造一戸建、41万戸は別荘などのセカンドハウス、のこりの460万個のマンションのうち、売却用は31万戸、賃貸用はなんと 429万戸!!!とかなり衝撃的。

つぎつぎと相続対策?と思しき中高層賃貸用マンションがあちこちで建ちあがっていますが、きっとこの中には入っていないんだろうな~。

潜在的な数値を加算すると 軽く500万戸になるかもしれません。

 

参考までに 等道府県別空き家率はこんな感じ。

 

*全国空き家率ランキング*

1.鹿児島

2.高知

3.和歌山

4.徳島

5.香川

6.島根

7.愛媛

8.山口

9.三重

10.鳥取

 

これをブレイクダウンして、こんなカテゴリーも提供してくれました!

*全国賃貸用住宅空家率*

1.山梨

2.栃木

3.群馬

4.茨城

5.岐阜

6.静岡

7.福井

8.長野

9.和歌山

10.青森

ちなみに東京は40位

 

ところが、

*全国売却用住宅空家率*というカテゴリーになると

1.東京

2.大阪

3.兵庫

4.埼玉

5.京都

6.神奈川

7.福岡

8.奈良

9.北海道

10.千葉

 

とまあ、新築物件が続々と建設される予定地で住宅があまりつつあるんですね~。

 

東京にフォーカスしてさらに数字を追っていくと、

東京都の空き家率平均(2013)は 11.1%

その内訳は

都区部:11.2%

市町村部:10.9%

 

ちなみに 五年前はこんな感じ

東京都空き家率平均(2008) 11.1%

都区部:11.3%

市町村部:10.4%

 

つまり、郊外の条件が悪い立地から空き家がじわじわっと増えている!ということなんです。

 

では、東京都の空き家率はどうでしょうか?

東京都の空き家率ランキング

1.豊島区

2.大田区

3.武蔵野市

 

東京都 賃貸用空家率ランキング

1.青梅

2.日の出

3.豊島区:あきる野

4.大田区

 

東京都も全国同様に郊外の立地条件が悪いところから空家が増えていき、このままいくと20年後の空き家率は 28.4%になる。そうな。

 

<空き家発生に伴う問題>

ではどうして空家が増えてしまうのだろうか?

一番の理由として挙げられているのが、

居住者の死亡や相続人不在による管理不全

所有者が遠方居住により定期的な管理ができず、管理不全

が主な理由。

 

ここまでくると空き家問題も放置できない問題。

国土交通省は何をしているのか?

空家問題に対しては空室対策特別措置法 を施行し自治体と歩調をあわせながら様子を見て法整備していくであろう。

とりあえず、空家バンク なる 需要と供給のバランスを図るべく窓口も設定したものの、あまり活用されていないようです。

現場の声をもっと抽出して運営をしないと空中分解しそうな気配。

 

対策を講じるも意思決定が悠長な気もするけれど、現実は税金投入して対応を迫られている段階まできている。

先日も横須賀市で木造住宅の解体を自治体が実施したが、東京都も木密地域から段階を追って右に倣っていくことになるんでしょうね。

 

<利活用支援策と関連ビジネス>

先程の空き家バンクもさることながら、対策を講じて効果をあげている自治体がある。

茨城県 ひたちなか市、東京都世田谷区、千葉県流山市、福岡県。

住み替え支援や地域交流の場として利用し、活用事例を紹介したり市民団体やNPOとのマッチングを行ったりしている。

 

千葉県流山市については、日テレ「月曜から夜ふかし」でも取り上げられていたけれど

都心在住の子育て世代が住み替え相談窓口を利用して移住効果が出ているようで、今や

東の二子玉川? になりつつあるそうな。

番組でも マツコが絶叫していたけれど、流山にも「ZARA」があるらしい?

これもうまく進めば、武蔵小山のムサコマダムに続いて流山のナガレマダム?

いやいや、ナガレネーゼ?もっと庶民的かな? ナガレファミリー? が続々誕生しそうな予感。

 

最後に

<空き家関連ビジネス>

1.空き家管理代行

2.空き家の発掘・仲介・買取・再販

3.金融

  空家の解体ローン、改修ローン、リフォームローンなどなど。

 

新築偏重といった日本型の住宅循環モデル・価値観を見直す時期に来ている。

アメリカやEUのように 循環型(所有者の維持補修により中古住宅が価値を持ち、

自ずと流通していくビジネスモデル) への舵とりが必要。

中古住宅をリノベーション、保証し、中古流通市場の活性化が急がれる。

 

対策を講ずることなく足踏みを続けていくと、

 

空き家問題は

戸建て ⇒ 賃貸アパート⇒区分マンション⇒タワーマンション

という図式で東京はゴーストタウン街道まっしぐら。

 

現実を見据えて、真剣に考えないといけないね~。