民法改正ー法律では関東の呼び名「敷金」を定義として採用。 経年劣化の修繕費は「貸主」の負担 となった。
住宅関連の法改正サイトを読んでいたところ、
弁護士ドットコムニュースで
<民法改正> 関東の呼び名「敷金」を法律で定義、
関西の通称「保証金」は消える?運命?」
を発見。さらに読み進めてみると。。。。
契約や債権の分野で120年ぶり!!(随分長いこと、放置されていた法律なんだね。)の大幅な変更となる「民法改正」の要綱がまとまり、3月下旬にも改正案が国会に提出される。
とあり、大家さんとして気になるところは、やはり売買契約や賃貸借契約に関連したところです。
記事によると、現行法では敷金の返還ルールが明確に規定されていない・
文言や呼び方も地域によってバラバラ。
敷金についてはトラブルも増えて訴訟も多くなり、社会問題にもなっている。
政治家先生方も大家さんから陳情を受け付ける事も多くなり、
そろそろちゃんとルールを決めようか?
となったらしい。
余談はここまでにして。。。
今回の改正のポイントは2点
1)敷金返還ルールの設定
2)呼び名の統一
まず、1)敷金返還ルールの設定について
大家さんであれば、だれでも経験する敷金返還(原状回復)については
借主は賃貸用不動産に入居後、損傷した部分を原状に回復する(そのまま字のごとし)義務を負っています。ゆえに、借主は退去するとき、損傷部分を元に戻す修復費として、敷金からいくらかを支払う必要があります。
これまでのトラブル例としては、借主が責任を負うべき「損傷」については時間の経過による劣化、つまり「経年劣化」などはふくまれないことになっていました。
しかし、経年変化・劣化の分も修繕費に含める貸主がいるので、トラブルになっていました。というわけで、解決に一石を投じる形で、
今回の改正では、敷金返還(原状回復)に「経年劣化」の費用は修繕費に含まない。というルールが明記されました。
今後は、償却年数を超えた損害については経年劣化の扱いとなる。
このルールは、入居者の善管注意義務違反により、壁紙等にカビを発生させて修繕費が発生したとしても、壁紙の償却は6年となっているので、賃借人が更新を含めて6年以上賃貸契約を継続したのち、解約に至った場合は、経年劣化と扱われ 賃借人は修繕義務を負う事はありません。
となります。 なにせ、日本国は貧乏な人にやさしい国なので。。。世の中は賃借人(つまりお金が無いと思われる人)に助け舟を出したのです。
このルールはモンスター賃借人にうまく悪用利用されて、修繕費の支払いのがれの言い訳になりそう。
このあたりは、契約時に大家さんから賃借人に対して「原状回復精算基準」を設けて
応戦するしかなさそうですね。
2)呼び名の統一
敷金については関東圏と関西圏では呼び名がことなっており、
関東では「敷金・礼金」
関西では「保証金・敷引き」 と表現されているそうです。関東の人が関西に住んだり、関西の人が関東に住んだり、ということも日常茶飯事になり、仕組みや表現が分かりにくくなってきたので、
「敷金」を明確に法律上で定義することにより 仕組み・表現の統一を図ることになった模様。
お役人様は さらに 「いかなる名義をもってするかを問わず」の文言をつけているので、関西圏の「保証金」とういう概念も法律上は「敷金」と定義されるからね!
と、関西圏から反発されるのを想定して、念を押してます。
これに、リンクする形で 関西圏で使われている「敷引き」は「礼金」と表現が変更されていくのでしょうね。
どっちでも、いいんじゃない? 呼び方なんて! と思いますが、
そういう問題の範囲を超えたようです。
以上、本日のお勉強終了です。